Post
_(-ω-`_)⌒)_ - 0 days
家族が第一
サリーの小型船は、このあたりの海を定期的に航行する数少ない船舶だった。
そのため、サリーはSOSの信号を聞き逃がさないよう、いつも注意していた。
だから、1隻の船が爆発して、12人が海に投げ出され、救命ボートもないと聞いたとき、即座にそちらへ向けて舵を切った。
ところが、そのとき、ふたつ目のメッセージが入ってきた、サリー自身の夫の釣り船が沈没しかかっていて、こちらも助けを求めているのだ。問題は、夫のいる場所が、12人が溺れている場所を通り越した先にあるということだ。
しかも、天候は悪くなりつつあり、遭難信号に応答してくれる船舶がほかにないため、サリーがどちらを優先するにせよ、後まわしにされたほうは、おそらく、到着するまでに死んでしまうだろう。
考えてる時間はあまりない、一方では、自分の夫を助けないのは、夫婦間の愛情と信頼を裏切るものだと思えた。
もう一方では、気だての良い夫のことだから、たったひとりを助けるより12人を助けるほうが理にかなってるいる、と納得してくれそうに思えた。どちらへ先に行きたいかサリーにはわかっていたが、どちらへ先に行くべきかは分からなかった。
16

