本で印象に残った言葉
「酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医が本気で語り明かした依存症の話」という本の中で、回復コミュニティ(自助グループ)に参加することの重要性が語られています。
その中でも特に印象に残ったのが、
回復の鍵を握るのはコミュニティを維持することであり、酒や薬をやめ続けているかどうかは、もはや二の次である
という言葉でした。
断酒や断薬というと、どうしても「飲んだか、飲まなかったか」「使ったか、使わなかったか」という結果に意識が向きがちです。しかし著者は、それ以上に人とのつながりや居場所を持ち続けることが大切だと述べています。
アディクションは単純ではない
私は、アディクションの問題は「やめれば解決する」という単純なものではないと思っています。
孤独、不安、ストレス、トラウマ、自己否定感、生活習慣、人間関係――さまざまな要因が複雑に絡み合った結果として現れるものだからです。
そのため、表面的な行動だけを見ていても、本当の意味での回復にはつながりにくいのではないかと感じています。
回復のために観察する
飲んでしまったことを責める。あるいは、飲まなかったことだけを評価する。
もちろん、それ自体が無意味というわけではありません。
ただ、その前後で自分に何が起きていたのか。どんな感情があったのか。何を求めていたのか。
そうした背景に目を向けて観察することの方が、回復には重要なのかもしれません。
「飲んだ・飲まなかった」で一喜一憂するのではなく、その複雑さを少しずつ理解していくこと。その積み重ねが、回復への近道なのではないかと思っています。

