金銭感覚が狂っているという話は、ギャンブルの依存症でよく出てくる話です。 ただ、本当に狂っているのでしょうか? その辺りを分かりやすくしてみようと思い、この記事を作成しました。
先に結論から書くと 金銭感覚が狂っているのではなく、金銭感覚が少なくなっている 金銭感覚は狂いを直すのではなく、新しく上書きするもの
金銭感覚のイメージ
まず思い浮かぶのは、日常生活の中での金銭感覚です。 自動販売機でジュースを買う際、ペットボトルが150円という感覚のとき、180円の金額を見ると高いなと感じてしまう。これが感覚のズレから起こっていることだと思います 日常では10円20円の違いを気にするのに、ギャンブルになるとあっという間に1万円や2万円を使い切ってしまう。感覚が狂っている、という言い方になるんですね。 では、この感覚自体が間違えているのかというと、そうではないと思っています
依存症の前提
依存症という状況は、ストレスのせいで肉体的精神的に疲れてつらく、視野が極端に狭い状態です つらさを和らげるためにギャンブルなどの快感が無いと生きられない状態 つまり、1万円や2万円を払うと気持ちよくなれる楽しい体験に納得してにお金を払っている 気持ちよくなる違法なお薬が高額で取引されているのと同じような状況ですね。 必要だから、それに見合った金額だと思えるから盗みを働いてでもお金が出せる
辞めたい(つらくなる、お金が無くなる理屈)のに辞められない(楽しくて必要な感情)、の正体です 気持ちよくなりたい、楽になりたい金銭感覚だけが日常の金銭感覚と大きく外れていると感じるから、狂っているという言い方をしている。
金銭感覚の切り替え
話を整理しますね。 日常で一食1000円の金銭感覚と、気持ちよくなろうとして1回1万円の金銭感覚。この2つがある
これ、ある状況に似ていると思いませんか? 推しのライブに2万円、愛車のパーツに3万円、恋人との旅行に5万円… 自分が好きなもの、大切なもの、楽しめるものに大金を使う時と似ています
金銭感覚は 日常の金銭感覚と、非日常(緊急事態)の金銭感覚、2つの金銭感覚を切り替えて生活している 金銭感覚が狂っているのではなく、2つの金銭感覚を行き来している
非日常の金銭感覚…例えば旅行や外食なら我慢で耐えられる でも緊急事態の金銭感覚は本能的な欲求、だから我慢では耐えられない それが日常の金銭感覚を妨害し始めた。だから狂っていると感じるし、辞めたいのです
金銭感覚が少ない
するともう一つ、おかしな事に気が付きます お金の使いみちはたくさんあるはずなのに、なぜ日常と緊急事態(ギャンブル)の2種類しか金銭感覚が無いのか
依存症は、ストレスを受けて視野が極端に狭い、と上で書きました つらい→ギャンブル、しか見えなくなっている
例えば、パチンコ屋に依存している人は 競馬や競艇、バカラやポーカーにも「お金が手に入る」事は知識として知っていても、「儲かった、楽しい」をまだ経験していない バカラというお金の使いみち(金銭感覚)がある事は知っている、けれどバカラの金銭感覚を持っていないし想像する事もできない 楽しさや嬉しさを経験していないから、楽になる選択肢に上がらないし、想像して選ばれないんです
依存症の人は日常生活の金銭感覚と、緊急事態の金銭感覚しか見えなくなっている 日常の金銭感覚で物足りない(つらい、楽しくない)と、もう片方の緊急事態の金銭感覚を使ってしまう
これが金銭感覚が狂っている、の仕組みです
そしてこの事から分かるのは、金銭感覚はお金を使うこと(経験)で身につく 金銭感覚が狂っているからお金を使わない、これでは今まで通りの金銭感覚から抜け出すことはできません。そして、知ってしまった金銭感覚は消せないし元には戻せない 新しい金銭感覚は経験して学習しないと、上書きして身につける事はできないのです
金銭感覚の変え方、増やし方
ここからは金銭感覚の使い方について考えます🤔 🅰日常の金銭感覚と🅱緊急事態の金銭感覚。「つらいとき」に、何の金銭感覚を使うのか?です
🅰日常の金銭感覚、の変え方 ①使う回数を減らす いわゆる「節約」ですが、毎日の我慢だけでは我慢の限界が必ず来ます 人は目標があるから、多少の我慢なら目標までは我慢ができます 短期や中期の目標を作って過ごしましょう
②日常の金銭感覚に「休息、ごほうび」を増やす 人は好調な時と不調な時が交互に来ます 好調な時はいつも通りに何も気にせず動けますが、不調な時はいつも通りにはできません 「情けない」「ダメな自分」が目につく不調な時は必ずあります お金だけでなく、時間も含めて日常に自分を休ませる金銭感覚を増やすんです つらい時や苦しい時が減れば、緊急事態を避けて、緊急事態の金銭感覚を使う機会が減らせます
🅱緊急事態の金銭感覚、の変え方 ①ギャンブルの金銭感覚を捨てる これは難しいと思っています。 理由は単純で、ギャンブルの金銭感覚を経験してしまったから つらい状況でも、楽にしてくれる事を期待してしまう 経験した事があるから、やり方も成功体験も想像できてしまう それに快感の「刺激」の代わりになるものは、同じくらい「刺激的(負担のあるもの)」にしか代えられない
…なら、そんな金銭感覚は押入れの奥にしまい込んでしまえばいい 使いたくても使えないようにすればいいし、別の使いやすい金銭感覚を選んで使えばいい 別の金銭感覚をたくさん用意すればいいんです 「刺激的」なドキドキの代わりは、ワクワクする好奇心や、満足感や安心感と置き換えればいい
②ギャンブル以外の金銭感覚を身につける 例えばサウナ1000円、温泉家族風呂2000円、旅館での一泊2万円などなど つらい時や苦しい時を乗り切る金銭感覚は、世の中にはたくさんあります。あなたの頭の中にもいくつかは、楽しい「らしい事」は知っていると思います
これは有料のものに限りません 散歩、ヨガ、瞑想、友人との会話、人に相談する
どのやり方でも構わないから、自分が楽しい、楽だと感じることを体験して見つけだす それが日常の金銭感覚を増やす事で、緊急事態を減らす事です
まとめ
1つの金銭感覚が狂っているのではなく、2つの金銭感覚を交互に使っている 金銭感覚はお金を使った経験で身につく、想像では変わらない 身についた金銭感覚は削除できない、だから別の金銭感覚を上書きする
日常の金銭感覚を 「日常生活、将来の目標、自分を休ませる」の3つの金銭感覚に増やして 緊急事態の金銭感覚を 「ギャンブル以外の逃げこむ場所」をたくさん増やす ゼロ円で済む満足できる体験も、ゼロ円の金銭感覚として身につきます

